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2015-03-16 19:47 | カテゴリ:院内生活
(※断酒23日目/退院まであと20日)
 朝食は実家でひとり、レトルトカレーを食べた。熱いものを食べると、今度は上の歯が痛むようになった。
 昼前、スーパー柏ノ丘店まで父に車で送ってもらい、インスタントコーヒーと砂糖を買って病院バスで帰院した。今週は料理には参加しなかった。

 午後1時半。来週が夏祭りでお休みとなる創作は、退院まで今日を含めてあと2回ということになる。
 猛スピードでカードケースを仕上げた。お世辞にも上出来とはいえないが、一宮OTはしきりに「いい感じですよー」と褒めてくれた。これはこれで、彼女の本心なのだろう。再来週の最後の回では、100円ショップで買ったイルカの木工クラフトを作って遊ぶつもりだ。



 今日は柏ノ丘例会には行かず、夕方の自助参加まで休むことにした。デイルームで薬剤師の室戸さんに、久しぶりに声をかけられた。僕は退院日を伝え、不安ではあるけれど比較的落ち着いている、と近況を話した。
 とはいえ、薬が必要な生活がこの先いつまで続くのかは気になるところだ。エビリファイは前日の効果が残る可能性があるから一度くらい飲み忘れても大きな支障はない、と渡辺先生は言っていたが、退院して仕事に戻ったとき、僕がどんな精神状態でいられるのかは分からない。眠剤も必要になるかもしれない。いずれにせよ、退院後も外来で様子を見なければ何とも言えないというのが実情だ。
 以前先生にも訊いた、飲酒欲求を抑える薬についても尋ねてみた。新しい薬のため臨床データが少なく、不確定な部分も多いそうだが、考えられる副作用は下痢の可能性で、町坂さんが言っていたような「何もしたくなくなる」「死にたくなる」という症例は、少なくとも室戸薬剤師は聞いたことがないという。ほかの薬との併用も問題ないとのことで、頓服薬としての利用が可能かどうかについては調べてくれるそうだ。費用負担についても確認をお願いしたところ、室戸さんは快く引き受けてくれた。

 その後、職場へ連絡して担当マネージャーに退院が決まったことを伝えた。直接の上司にあたるマネージャーからは「おめでとう」という、この病棟ではあまりかけられない言葉をかけてもらった。退院後も今月いっぱいは静養して、8月から復帰ということで了承をとった。
 この3ヶ月で職場のスタッフも20人ほど増えたという。1月から研修を始めて2月から現場についたばかりの仕事のため、まだまだスキルがないうえに、このブランクは不安でお腹いっぱいになる。それでもここまでの入院生活で僕がやってきたことは間違っていないはずだ。自分を信じて、とにかく前へ進むしかない。


 今日は西町のAA「ちかぷ」へ行った。院内AAではメッセンジャーの方が来ているグループなので何度か参加したが、病院外のミーティングへ出向くのは初めてだ。
 知らないメンバーばかりだったが、5月の連休明け、初めてこのグループの院内AAに参加したとき「アサヒの『スーパードライ』が飲みたい」と話してくれたイザワさんがいた。別のAAメンバーの方も来ていた。少しずつ、顔見知りが増えていけばいい。そのためには、とにかく足を運ぶことだ。

 西町教会へは優二さんと向かったが、少し早かったので駅前のショッピングモール3階の喫煙室で時間を潰すことにした。さっきまで病院バスで一緒だった、勤務終わりの沼畑師長がタバコを吸っていた。デイルームの患者用喫煙室では見たことがないが、実はかなりの愛煙家らしい。
 師長が最近ハマっているというスマホのゲームの説明をあれこれ僕にしてくれた。ただ、
「バアーッとやって、ぽんってなったら、すーっといくの」
 と長嶋さんみたいな説明なので、面白さがさっぱり伝わらない。それ以前に僕のポンコツ端末には非対応なので、楽しそうに話す姿で「ああ、面白いんだろうな」と理解するしかなかった。
 いろいろ苦労の多い職場だろうが、それを見せない。「私、短気なの」と呑気に語る。僕とは対照的な人で、なんだか考えさせられる。僕は人に対して壁をつくるが、本当は人が好きだ。
 患者だけではなく、病院のスタッフからも、たくさんの大切な何かを貰っている気がした。

 優二さんが珍しく沈んでいた。退院後の生活のために当てにしていた、作業所での仕事を断られたそうだ。詳しい理由は僕にはよく分からないが、なんでも「デイケアへの通所やAAの参加実績が足りない」らしい。これまで優二さんは、バーテンなどお酒を提供する飲食店での仕事や、やはりお酒を飲む機会が多い技術系の職場にいたため、スキルをうまく活かせられないこともネックのようだ。
「就活なんて3年もしてないし、面接用のスーツ買うカネもないんだよなあ…」
 180㎝の長身では、僕のスーツなんか役に立たない。
 こういうときは、気休めの言葉はかえって傷つけるだけだ。不安で焦る気持ちは、僕には痛いほど分かる。
「でもこうやって、サトウさんにグチ聞いてもらえるだけでも助かるよ」
 普段の素っ気ない優二さんにしては珍しい物言いだ。長い脚でいつもさくさく歩くが、今日はAA会場へ向かう足取りが重いのが如実に伺える。
「試練ですね」
 僕はそれだけ言った。彼がいつも口にする、自分を奮い立たせる言葉だ。
「そうだな。試練だよな」
 自分に言い聞かせるように呟いた。教会へ向かう足が、少し早くなった。


※文中における、病院および病院関係者氏名・団体名、地名等については、すべて仮名とさせていただいています。


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【ジャンル】:心と身体 【テーマ】:禁酒
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