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2015-02-17 18:26 | カテゴリ:創作
(※5度目のスリップから12日目)
 月曜午後2持からの学習会も残すところあと3回となった。今日のテーマは『③ 薬について』だ。5ーB病棟担当の室戸薬剤師のレクチャーで『アルコール依存症の薬物治療』と題したプリントが配られ、スライドを併用して実施された。
 内容はおもに、離脱症状の薬物療法について、大量飲酒によるビタミン不足が引き起こす症例や点滴・内服薬の説明と、合併症のひとつである睡眠障害の薬物療法についての解説などで、30分ほどで終了した。今回も当然ながら、基本知識をさらう程度だ。
 冒頭、「退院 4.4年後の死亡率」なるデータが示された。退院後に断酒を継続した場合の死亡率 7.4%に対し、再飲酒した場合のそれは38.5%だという。なかでも肝硬変の死亡倍率は一般人口と比較して26倍と、糖尿病での死亡倍率 4.7倍よりもはるかに高い。
 とはいうものの、退院時の健康状態は患者によって様々だろうし、断酒できても 7.4%の人は5年生きられないというのもかなりヘコむ数字だと思うが、いかがなものか。「退院 4.4年後」という妙な年数もピンと来ない。
 いずれにしてもこのデータによれば、退院後に再飲酒してしまった場合、僕は4割近い確率で次の東京五輪のおもてなしができないということになるわけだ。


 学習会終了後、一宮OTがベッドに訪ねて来た。創作の革細工で僕が作っている、コンビニチェーンのクラブカードケースの件だった。
 僕はカードケースに彫った店名ロゴを白く縁取りたかったのだが、白い染料がないのと、既にニスを塗ってしまったあとだったため、油性のペンで縁取ったらどうかと意外なアドバイスを貰っていた。油性ペンに白なんてあるのだろうか。アトリエにはそんなものあるはずない。もちろん一宮OTは僕の希望に沿えるよう、親切で提案してくれたことなのだが、なんだかかえって残念な出来になるような予感がしたので、僕は白の縁取りを諦めてそのまま仕上げに入ろうと考えていた。
 そんな僕のことを一宮さんはずいぶん気にしてくれていたらしく、革細工キットのメーカーだか染料のメーカーだかへわざわざ問合せて確認してくれたのだという。その結果、白くしたい部分を少し削ってニスを落とし、白い水彩絵の具で縁取りしたあとで再度ニス塗りすれば大丈夫だということを聞いたので、それを伝えに来てくれたのだ。
 不器用な僕にはどうやっても失敗する気がするが、僕のためにここまでしてくれた一宮さんに「もういいです」とは言えない。というより、純粋に嬉しかった。失敗しようが成功しようが、僕もやるだけやるだけやってみようという気持ちになった。

 一宮OTがそこまで気を遣ってくれたのは、このカードケースが認知症の進行する母へのささやかなプレゼントだと、僕が話したからだと思う。僕としてはあまりたいそうに考えていなかったのだが、早くに父親を亡くしている一宮さんは、なんとか手伝いたいと思ってくれたのかもしれない。
 実のところ、母は既に買い物へ外出することもなくなっていた。一昨日から昨日にかけての一時帰宅で母にそれとなく確認してみたところ、肝腎のクラブカードじたいどこへやったか怪しい具合だった。
 それでも、こうなれば最後まで仕上げてやろう。一宮さんの善意を受けてそう思った。この創作には、なんだかとても価値があるような気がした。
 そしてこれが完成して時間が余ったら、今度は米窪さんが 100円ショップで買ってハマっている、あの木工クラフトを作って遊ぼう。例のイルカと飛行機は、まだ手をつけずに置いてある。


 夜は昨日に続いて西町教会のAA「カッコー」へ足を運んだ。利根川さん、優二さん、山形さん、関根さんと僕の5人で向かった。参加者の多くは過去に柏ノ丘病院に入院歴のある人ばかりなので、AA会場での雑談の際は常に昔話になりがちだ。僕は相変わらず話について行けないが、それでも今日は不快ではなかった。

 すべてを前向きに考える。少しずつでいいから、そういう僕でありたい。


※文中における、病院および病院関係者氏名・団体名、地名等については、すべて仮名とさせていただいています。


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【ジャンル】:心と身体 【テーマ】:禁酒
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