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2014-07-27 22:11 | カテゴリ:診察・診断・回診
(※再スリップ翌日)
 昨夜は午前3時まで日記を書いていたため、朝はラジオ体操に起きられなかった。瞑想こそ参加できたものの、夜勤明けの石橋看護師に僕の夜更かしを心配されてしまった。

 今日の回診から、担当主治医が渡辺医師に代わった。この先生が鼻をぐすぐす鳴らし、落ち着きのない喋りかたをするのは『チック症』と呼ばれる一種の障害のせいだそうだ。一般的には子供に多く見られ、自分の意思とは無関係に体を動かしたり、声を発したりするという。人によって症状の違いがあり、先生のように鼻を鳴らす仕草のほかにも、瞬き、首振り、肩や腕をぴくっと動かすといったものがある ―― と、ネットで紹介されていた。
 事前に聞いてはいても、初回診で先生のその仕草をいざ目の前にすると、失礼とは思いつつ口元が緩むのを抑えるのに必死で、慣れるまで少しだけ時間がかかりそうだ。
 ただ、渡辺先生はとても低姿勢で、患者の話をとてもよく聴いてくれる。今日は初回診ということもあってか、いろいろ質問もされた。シラフの状態で集団に入っていけない例として、ひとりで飲食店に入るのにも抵抗があることを申告すると、
「マ、マクドナルドには、ぐすっ、ひとりで行けますか?」
 と即座に質問されて面食らった。僕はマクドナルドにはかろうじて入れるが、スタバやサブウェイにはひとりで入れない。そんな違いを訊いて、何か判るのだろうか。それでも僕の言うことをカルテに細かくメモしていた。
 僕は家庭環境のことや、退院後の生活を考えるうえでカウンセリングを受けたいということを伝え、先生から前向きな支持を貰うことができた。ちなみに外来でカウンセリングを受けた場合、保険適応外のため50分で税込み 5,400円もかかるが、入院患者の場合は無料だそうだ。そのため、入院患者にお試し感覚で安易にカウンセリングを利用されると心理士の対応が間に合わなくなるので、通常病院側からカウンセリングを勧めることはないのだという。僕が最初にカウンセリングを希望したとき、なんとなく慎重な雰囲気があったのはそのせいなのだろう。
 とにかく明日、心理検査の結果について田村心理士から説明がある予定だ。


 渡辺医師担当の患者が一気に増えたことで、回診の順番によっては10時半からのレクに食い込んでしまうのは仕方がない。ちなみに回診は5ーB病棟のある5階診察室で行われるが、待合室に来た順での診察となる。相談などを抱えて少し長引きそうな場合など、ほかの患者に配慮して、わざと待合室に行く時間を遅らせて診察を後回しにする人もいる。
 11時前に回診が終わり、体育館で今日もエアロバイクを漕いだ。しばらく快調に走っていたが、機械をリセットせずにスタートしたことに気づいてやり直し。今日は8㎞走破で良しとした。
 その直後、福井さんと卓球をやってみたが、膝が笑った状態では5分も持たなかった。早々と切り上げ、午後の料理の買い出しに備えてシャワーを浴びた。


 昼食後の午後1時、スーパー柏ノ丘店へ料理の買い物に出た。草刈さんが急遽回診で行けなくなったため、洋子さんとふたりでの買い出しとなった。途中にある郵便局で限度額適用認定証の申請書原本を投函するため、今回も先週と同じように歩いてスーパーへ向かった。
 洋子さんは2男1女の子供がおり、31歳の長女のところには孫もいるそうだ。長男が35歳というから、僕と洋子さんが並んで歩くと親子に見えて不思議じゃない歳の差ということになる。
 スーパーでは、やはり今回も洋子さんのリードでてきぱきと買い物をこなした。トータル2,642円で、2,700円の予算をほぼムダなく使い切ったが、僕にはまだ「グリーンソース」なるものの想像がつかない。パスタに絡めるペースト状のバジルソースを思い浮かべたが、ホウレン草と空豆を使うとのことで、どうもそういう感じでもないらしい。というか、そもそもバジルは買っていない。洋子さんは、
「まあ、あとは明日、あり合わせのものでやりましょう」
 とアバウトに言い放った。主婦の機転でなんとかできるという自負がないと、なかなかこうは言えないものだ。


 午後3時のSSTは、牛本主任の進行のもと、勝瀬さん、米窪さん、周さん、黒部さん、町坂さんと僕、一宮OT、それから最近52号室にギャンブル依存で入院した小千谷さんという40代の男性患者の9人で行われた。
 小千谷さんはパチンコ・パチスロ依存のみならず、FXという、為替レートの変動を見ながら外国の通貨を売買する取り引きにものめり込んでしまったそうだ。デイルームでも、ニュースで為替の値動きが報じられるとつい反応してテレビに見入ってしまう。こうなると、地道に働くことがアホらしくなるのではないだろうか。なんにせよ、依存の世界は本当に根が深い。

 ゲートボールとカーリングをかけ合わせたミニゲームでウォーミングアップをしたあと、SSTは前回のカウンセリングの話題から始まり、綺麗ごとを並べただけに思えるARPへの不満、そして現在患者それぞれが抱える不安の問題と、先週と同じような展開になった。
 米窪さんや町坂さんは「家に帰っても居場所がない」と言う。僕は僕で、退院後の実家での生活、特に父との向き合いかたに不安を感じている。父親として家族との接しかたに悩む米窪さんや町坂さんに、自分の家庭を持たない僕があれこれ言える立場ではない。ただ、米窪さんが自分の父親について、「大酒飲みで世間的には決して合格とはいえないが、父親のことは好きだ」と断言したのは印象的で、なんだかとても羨ましく思えた。
 あらゆる問題の逃げ場をお酒に求め、お酒に溺れた代償はあまりにも大きい。それぞれの家庭についても簡単には乗り越えられない壁はあるのだろう。
 ―― でも、いずれは米窪さんの息子さんも町坂さんの娘さんも「何だかんだいっても、父親のことは好きだ」と心底思えるようになればいいのに。
 何の解決策にもなっていないが、ただそう願わざるを得なかった。

 SSTは本来、欲求の対処やコミュニケーションを図るトレーニングの場であるはずなのだが、どうも僕が参加したこの3回はぼやけたディスカッションに終始している。
「本当はさあ、今のSSTでやってることを院内AAでやればいいんだよ」
 と、町坂さんが再三指摘していた。院内AAはすべて言いっ放しのテーマミーティングのみで、議論の場にはなっていない。町坂さんがAAに一切参加しないのは、そういう理由だからだろうか。
 なんにせよ前回も今回も、SSTを終えると気分が重くなった。結論のでない議論はある意味不毛だが、それはそれで仕方がない。ただ、このままSSTが本来あるべきトレーニングの時間になり得ないのなら、参加することに意義を見出せなくなってしまいそうだ。


 SST終了後、今日は早出しの夕食を摂って、利根川さん、優二さんと南町教会でのミーティングに出かけた。先月15日に勝瀬さんを誘って足を運んだAA「オオタカ」だ。ジアゼパムを1錠飲んで行ったので、気分は比較的落ち着いていたが、開始30分前に到着した今回も、ミーティングが始まるまでの時間が長くて居づらいことに変わりはない。内科の直腸検査のため別の病院へ行っていた植中さんも、病院からまっすぐこの教会へやって来た。
 今日は10年ほど前にこのグループを立ち上げたという男性も久しぶりに来ていたということで、ミーティングでは多くのメンバーがAAの意義について話していた。それは本当にその意義を実感している発言だと思ったが、僕にはとてもまだその実感は何ひとつ湧き上がって来ない。実家から徒歩で通えるこの会場でのミーティングに、僕は退院後も通い続けることができるのだろうか。

 ミーティングを終え、入院患者4人で歩いて病院へ戻った。6月だというのに、日が落ちるとなんとなく肌寒い夜だった。

 
※文中における、病院および病院関係者氏名・団体名、地名等については、すべて仮名とさせていただいています。


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【ジャンル】:心と身体 【テーマ】:禁酒
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