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2014-05-23 00:10 | カテゴリ:学習会

 柏ノ丘病院は、街の郊外に位置する柏山の中腹に沿って建てられ、周囲を丘陵に囲まれている。
 だから『5ーB病棟』が5階にあるといっても、デイルームの窓からは緩やかな坂道を徐行する病院関係者の車が同じ目線で伺える。シャワー室やトイレの窓から見える景色もそうだ。
 1階正面入口からロビーを抜け、奥のエレベーターでいったん3階まで上がり、そこからさらに奥へ進む。別のエレベーターで5階へ上がり、降りたところを左へ行くと5ーB病棟に辿り着く。
 エレベーターを降りて右を行くと5ーAなのかCなのか、それともまったく違う何かなのか、それは知らない。とにかく、僕の入った病棟はそんなところにある。

 3階から5階へ行くエレベーター前には小さな売店があり、日用品やタバコ、カップ麺やお菓子などが売られている。売店の横には自動扉の玄関があり、ここは病院裏手にあたる。
 売店はちょくちょく利用するため足を運ぶことも多いが、わざわざエレベーターを待つのは面倒なので、移動はおもにすぐ横の階段を使う。途中、4階にもまた謎の入口がある。外から見ると、3階裏玄関から少し傾斜を上ってすぐに4階玄関が並んでいるような具合だ。
 建物外観から間取りの想像はまったくつかないが、もっとも、中にいたところで外観の想像がつくわけでもない。

 僕は今日の時点で、自分のいる病棟から3階の売店と、その脇の通路横にある大浴場までを僕の行動範囲としている。
 1日目にびくびくしながら入って来たあの正面玄関ロビーへ、迷子にならずに自力で行って戻って来られる自信はまだない。


 今日、平嶋さんという中年男性が入り、53号室の患者は再び8名となった。再入院らしく、顔見知りの患者さんも多いようで、すぐに病棟に馴染んでいる。その姿を見て僕はというと、ますます周囲を避けて溶け込めなくなってしまう。
 詳しくはまだよく分からないが、ここにいる患者さんたちは、お酒の飲み過ぎで深刻な疾病・疾患を抱えている人が多いようだ。病院なのだから当然といえば当然なのだが、点滴スタンドを片手にガラガラやりながら歩く人もいる。
 年齢も見たところ30~60代と幅が広いが、僕のようにココロが病んでいる人もいるのだろうか。


 午前中、僕の担当となった下地さんというソーシャルワーカーがベッドに訪ねてきた。40代半ばくらいだろうか、穏やかな感じでやたらに背が高い男性だ。
 これで主治医、担当看護師、担当ワーカーとそれぞれ顔を合わせて挨拶したものの、正直僕はこの方たちともどう接すればいいのか、何をどう相談していけばいいのかも分からないのだ。
 気分の落ち込みがひどいことを打ち明けると、下地さんはジアゼパムという薬を1錠飲ませてくれた。不安な気持ちを軽減させる安定剤だという。
 いつも食後に飲んでいる薬も「不安を抑える薬」と看護師さんが言っていたけれど、何がどう違うのだろう。それも分からない。


 午後2時から、学習会に出席した。入院後、初めてのARP参加だ。
 学習会は、アルコール依存症の実害やリハビリなどについて学ぶ全11回のプログラムで、毎週月曜日に行われる。その回のテーマに応じて、医師や看護師、心理士などがレクチャーを行うという形式だ。
 今日の内容は心理士による『⑥ アルコールがつくる心の病気 ~その2~』。

 いきなり『その2』って言われても、と一瞬思うが、どの回が初回になるかは患者の入院するタイミングによって違うのだから、各回に連続性はないらしく、『その2』のあとに『その1』が来ても問題はないようだ。
 今回は全11回の6回目だが、11回目終了の翌週はまた1回目に戻るから、僕の場合は3ヶ月後に予定の『⑤ アルコールがつくる心の病気 ~その1~』で学習会を終えることになるわけだ。
 まあ連続性がないとはいえ、タイトル的に何かすっきりしないローテーション、ではある。

 気になる学習会の内容については、適度な量の飲酒時から泥酔、ブラックアウト(記憶が飛ぶ)に至るまでの脳への影響をイラストで示した資料で説明したり、アルコール依存による脳萎縮で様々な能力が低下し、社会生活や対人関係に深刻な影響を与えますよー、という一般的な解説で、タイトルの『心の病気』にはあまり言及していなかった。
 別の病棟の患者も合わせ、40~50人くらいが参加していたが、50代以上の年齢層がほとんどだと思う。僕と同世代くらいの女性心理士が担当していたが、必要以上に難しい解説はかえって意味がないのかもしれない。

 最後は、脳の機能低下を予防・改善するトレーニングとして、不規則に並ぶひらがなの文字列の中から、あ・い・う・え・お、など特定のひらがなだけを拾い上げて○印をつける『かな拾い』や、朝日新聞なんかの日曜版でも見かけるお馴染みの『間違い探し』などをみんなで行い、1時間の学習会は和気あいあいと終了した。


※文中における、病院および病院関係者氏名・団体名、地名等については、すべて仮名とさせていただいています。


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【ジャンル】:心と身体 【テーマ】:禁酒
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