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2014-07-20 23:30 | カテゴリ:院内生活
(※スリップから10日目)
 昨日から、入院費の限度額適用認定証の件でバタバタが続いた。料理の買い出しから戻ったあと、病室に忘れたスマホに職場のマネージャーから申請書不備を知らせる留守番電話が入っていたのが発端だった。退院予定日を8月末日にして記入したことが不備の原因らしいが、病院の事務局で5ーB病棟を担当する金丸さんという女性からは、
「退院予定日はあくまで予定日ですが、実際の退院日がこの予定日を過ぎてしまうと再申請が必要になるので、余裕を持った日付にしといてください」
 と聞いていたため、なんだか食い違いがあるようだ。東京本社の人事担当へ直接確認してみることにした。
 さらに金丸さんによると、会社の保険組合で5月分の申請が認定されさえすれば、認定証の病院への提出は6月に食い込んでも大丈夫ということだ。
「もし差し支えなければ、組合や人事担当の方と私で、直接お話させていただいても構いませんよ」
 と、金丸さんにはとても頼もしい言葉をいただいた。これまでこういう諸々の手続きにはまるで無知で、シラフではいつも向き合わず、かといって飲んではどうでもよくなり放っておく、ということを繰り返してきた。今回ばかりは、自分でなんとかしなければならない。
 しかも、5月最後の平日の、今日中にだ。

 今日の午前10時を見計らって、本社の人事窓口へ連絡すると、なんと申請書そのものが届いていないと言われてしまった。これでは金丸さんにもお願いのしようがない。
 途方にくれたものの気を取り直し、再度僕の直属の上司であるマネージャーや、本社の人事に問い合わせ、最終的に保険組合へ直接相談した。FAXで今日中に申請をすれば、週明け月曜には認定証の原本を病院の僕宛に郵送してもらえるという。病院事務局の金丸さんにも、
「6月の1週目くらいまでに原本を提出してもらえれば、5月分の入院費から適用が可能ですよ」
 と確認をして、結局午後になって事務局のFAXでやり取りのうえ、申請を終えた。


 そんなこととは別に、今日は朝からちょっとした「事件」があった。54号室の清水さんが、最近入院したばかりの患者がうるさくて寝られないと、詰所へクレームをつけたのだ。
 54号室に入った竹内さんは、僕よりひとつ上の39歳で、20代の頃にアルコール依存症の診断を受け、早くから自助グループとつながりを持っていたそうだが、今回は実に12年ぶりにスリップしてぶっ倒れ、そのまま緊急搬送されて再入院となったという。
 10年以上もインターバルを置いてのお酒は、もはや毒としか思えない。下手をすれば命に関わる。植中さんなどは、
「やっぱり数年置きに、適度に飲まないとダメですかねえ」
 と、冗談とも本気ともつかない話を誰かとしていたが、断酒も命がけとなると僕も思わず頷きたくなる。
 そんな竹内さんの、夜な夜なお菓子を食べる音が喧しくて寝られないと、清水さんが詰所へ怒鳴り込んだというのだ。
「一般常識がなってねえ、あのガキがっ」
 と、凄い剣幕で看護師にまくし立てる清水さんの姿を、僕を含めたほかの患者は遠巻きに見つめていた。

 その後、この件がどのように収まったのかはよく知らない。この程度の苦情でどちらかが部屋を移ることはないし、せいぜい看護師になだめられて落ち着いたのだろう。
 思えば僕は、共同生活で起こり得るトラブルの典型を、半クールを過ぎてこのとき初めて目の当たりにしたのだ。


 さて、10時半からの料理だが、僕は僕で前述の件であちこちへの問い合わせで忙しく、合い間合い間に顔を出してキュウリを切ったくらいしか参加できなかった。
 節子さんも体調が悪く、平嶋さんも回診が入るなど、一時はどうなるかという状況だったが、結局は当初の予定通り、鱈のミートソースがけ、ワカメの味噌汁、玉ねぎ多めの手作り青じそドレッシングのサラダに、シャーベットふうのフルーツゼリーと、予想以上に美味しい料理が完成した。特に、鶏での代用ではなく鱈を使って完成できたことが何よりだったが、僕としては片手間での参加になってしまったことが残念だった。
 豚、魚という流れで、次回は正面から鶏料理ということになり、これまた節子さんのレシピから『鶏のグリーンソースがけ』に決まった。「ソースがけ」シリーズ第2弾、なんだか知らないがヘルシーな語感で旨そうだ。


 昨日電話で、父が4月分の入院費の支払いのため病院へ来ると言っていた。
午後1時。ロビーで待ち合わせしていたことを思い出し、慌てて降りて行った。
 1階ロビーでは父と母が既に待っていた。この時点でまだ、認定証のFAX申請は終わっていなかったため、父に経緯を説明し、手渡された4月分の入院費を金丸さんに支払った。4月については限度額適用認定の対象外となるが、別の申請で6,000円ほど還付が受けられるという。
 とりあえず、父と母には近況報告をしたが、スリップについては話していない。そろそろ外泊を勧められているが、飲酒欲求の不安があるのでまだ自信がないと伝えると、父も「まだ控えたほうがいいだろう」と答えた。僕だけじゃなくおそらく父も、自分がお酒を飲む手前、僕の外泊をどう受け入れればよいのか分からないのかもしれない。退院後を見据えたトレーニングとして外泊は必要だが、今のところはもう少し様子を見るほうが賢明だ。


 両親を見送り、1時半からのアトリエでの革細工に遅れて足を運んだ。僕が作ろうとしているのは初心者でも比較的簡単なカード入れだが、母がたびたび紛失しては大騒ぎになる、地元のコンビニチェーンのクラブカード専用のケースだ。そのため、店名ロゴデザインを手打ちで入れるつもりだと言うと、作業療法士の一宮さんも、今日の立ち会い看護師の石橋さんも面白がってくれたが、想像以上に地味で細かい作業になりそうだ。

 一宮OTから聞いた作り方の工程は、概ね次の通りだ。

①表面、裏面となる牛革を切り出す。
②各々の牛革に模様を打ち込む。
③染料で塗装し、乾いたらニスを塗る。
④表面と裏面の縁を糊で貼り合わせる。
⑤表面と裏面を革紐で縫うための通し穴を開ける。
⑥革紐で表面と裏面を縫い付ける。
⑦ボタン穴を開け、ボタンを取り付けて完成。

 今はまだ②の段階で、葉っぱや犬などの模様はあらかじめ用意された刻印で打てばいいのだが、オリジナルデザインとなる店名ロゴは釘先のような道具で引っ掻いて溝をつけていく。地味なのはここで、時間もかかる。周りではみんな、革細工らしく木槌で刻印を打ち込む音をゴンゴンと響かせているのに、僕だけひたすらカリカリと、店名ロゴを牛革に刻む作業が続く。
 結局今日は、半分ほどざっくり引っ掻いただけで時間となってしまった。


 今日はもうひとつ。
 先日の心理検査の結果がでたと、田村心理士が僕に伝えに来た。結果報告は来月6日の午後4時からに決まった。僕はカウンセリングを受けたいことを彼女に伝え、次回の回診でドクターに相談することを約束した。


 疲れた。朝も昼も食後の薬を飲むのを忘れ、看護師さんに言われるまで気がつかなかった。柏ノ丘例会もAAも、今日は参加しなかった。
 夕食後、山形さんから誘われた大富豪には応じて、峰口さん、和代さんと4人で何ゲームかを楽しんだ。
 4人だと革命が起きやすい。僕は最後の一番で革命を起こし、貧民から富豪で勝利を飾った。


※文中における、病院および病院関係者氏名・団体名、地名等については、すべて仮名とさせていただいています。


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【ジャンル】:心と身体 【テーマ】:禁酒
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