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2014-07-06 11:13 | カテゴリ:スリップ
(※スリップから2日目)
 今朝になって、昨日の夜勤だった小里看護師に確認したところ、僕が一昨日の20日に帰院したのは午後2時半頃だったらしい。19日夜から20日の記憶が曖昧だ。僕はまったく覚えていないが、カナちゃんが泥酔して戻って来た僕と話したらしい。4階に連れて行かれた際、シラフじゃない僕は4階の患者さんたちと、大いに談笑していた気がする。

 午前11時半の森岡先生の回診の前に、牛本主任と今回のスリップの件で面談を行った。僕が話した内容は基本的に、葉山看護師に昨日話したことと変わらないが、最初に麻友美さんの部屋に行って戻った18日の夜、僕は夜勤当番だった牛本主任に、彼女の退院について僕の思うところを伝えていた。
「しゅにんさんはいーひとらから、なんれもそーらんするんだよ。ほんれ、わらしのことも、ちゃんといーこといっとけよ。わはは」
 と、へべれけに酔っ払った彼女におかしな約束をさせられたこともあるが、僕は彼女が彼女なりにお酒を断つべく、積極的に自助グループへ行っていたことを知っていた。その彼女に誘われたのがきっかけで、今度は植中さんに声をかけられ、勝瀬さんに声をかけた。つながっていると思った。
 それなのにどうして、そんな麻友美さんがあんなかたちで退院しなければならないのだろうか。
 結果的にお酒を飲んでしまったのは彼女自身だ。退院を決めたのも彼女だ。でも僕は、麻友美さんが入院途中でリタイヤして、またもとのアルコール漬けの生活に戻ってしまったことが残念でならない。
 18日の時点で、僕は自分が近いうちスリップするであろうことを想定しつつ、そういう気持ちを主任へ伝えたのだ。

 僕だって、結局のところは同じだ。僕にいったい、どれだけお酒を断つという強い意思があるのだろうか。僕はアルコール依存症の患者で、弱くて無力で、そして愚かだ。中途半端な同情のすえ、今回のようなことになってしまった。

「病院のスタッフに、憤りのようなものを感じますか?」
 牛本主任に質問された。病院でできることには限界がある。極端な話、例え彼女がこのまま自暴自棄になって自殺したとしても、それはほかの誰のせいでもない。依存症に限らず、病気は患者自身の問題なのだから、仕方のないことなのかもしれない。でも、それではあまりに悲しすぎる。

 以前、牛本主任に尋ねたことがある。
「献身的に看護して、無事1クールを迎えて退院しても、その患者がまたすぐにスリップして戻って来たら、やりきれなくなりませんか?」
「いえ、むしろその逆です。よくぞ生きててくれたって思います。生きているってことは、まだチャンスがあるってことですから」


 主任との面談でレクには参加できなかったが、これは自業自得だ。森岡先生の回診では、「こういう状態で付き合う相手を、よく考えてください」と言われた。実にあっさりしたものだが、それはその通りだ。入院中のアル中患者が、病院を抜け出して別のアル中患者と飲んでどうする。
 すみません、と答えるだけだった。


 明日の料理グループの買い出しは、僕が外出禁止となり、勝瀬さんとカナちゃん、復帰した米窪さんと、新たに参加した山形さんの4人でスーパー柏ノ丘店へ向かった。
 月曜に実家外泊から戻った料理リーダーの康平くんは、実家でウイスキーをほんの少し口にしたことを訊かれてもいないのにうっかり申告し、僕と同じく外出禁止となった。薬物依存症の彼は、アルコールの摂取は問題ないと思い込んでいたらしい。
 買い物は、メインメニューの青椒肉絲(チンジャオロース)、味噌汁、サラダ、デザートの材料合わせて13人分となった。


 午後3時からは、2回目のSSTに参加した。牛本主任が仕切るSSTはこれが初めてとなる。作業療法士の一宮さんのほか、患者は僕を含めて5人の参加だった。ボールを的に当てて射抜く『ストラックアウト』でウォーミングアップをしたあと、「お釣りが間違っていても指摘できない」「第1印象で好き嫌いをはっきりさせてしまう」「挨拶をしたときの反応で線引きをしてしまう」といった、コミュニケーションに関する悩みや考えについて意見が出て、ディスカッションした。僕は挨拶を積極的にすることに萎縮してしまうのだが、そもそも挨拶をなぜ行うか、という話にシフトしたとき、根本的な視点を履き違えてしまっていることに気付かされた。
 結論は簡単に出るものではないが、AAなどとはまた違う、僕にとっては意義のある時間だった。


 今日の最後は、夕食後のAA「ぱはろ」、2回目の参加となるグループだ。テーマは「自分の考えを捨てる」。男性ふたりがメッセンジャーで来られ、うちひとりは初めての方だった。アルコールと薬物依存症で、過去に覚醒剤取締法違反と公務執行妨害で逮捕、実刑を受けており、そこからAAを通してお酒と薬物を断ち続けているという話を手短にしていただいた。
 こういう体験談をじかに聴くと、いろいろと質問したくなるのだが、テーマミーティングではそれができない。かといって、ミーティング後に個人的に質問する行動力も勇気もない。外出禁止の身ではあるが、院外の自助グループに参加して、ディスカッションでもできればいいな、などと思ったりもする。
 

※文中における、病院および病院関係者氏名・団体名、地名等については、すべて仮名とさせていただいています。


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【ジャンル】:心と身体 【テーマ】:禁酒
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