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2014-06-24 11:02 | カテゴリ:ミーティング

 朝からどんよりした空、雨の予報。ここ2日ほどは、快晴とはいえないが激しい雨も降っていない。桜は今日がピークと見て、晴れ間が覗いたときに写真を撮ってみる。


 今朝の瞑想でも、麻友美さんの姿はなかった。入院中の院外での飲酒は、酒量や酔いの状態にもよるが、病院には戻ることはできず、外泊をしてアルコールを抜くことを余儀なくされる。また一時的に別病棟に移される場合もある。
 彼女が5ーB病棟に戻って来るまでどれくらいかかるのかは分からないが、僕がやらなければならないのは、引き続き自助グループへ出向くことと、借りたハンカチを洗濯しておくことだけだ。


 午前中、牛本主任がベッドへ尋ねて来た。最近の調子を訊かれ、昨日自助グループへ参加したこと、そろそろ静養段階からトレーニングへ移っていきたいと思っていることを話した。
 僕が自助グループへ行ったり、先週のSSTに参加したことなどを、看護師主任がまさか聞いていないはずはないと思うのだが、あえて患者の口から言わせようとしているのか、それとも本当に知らないのか、ときどき疑いたくなるほど同じ話を繰り返している気がする。

「主任さんは、お酒飲みますか?」
 なんとなく訊いてみた。
「僕は…この仕事になってからは飲んでないですね」
 含みのある言いかただったので、さらに訊いた。
「前は飲んでたんですか?」
「かなり飲むほうでしたね。でも酔って上司と揉めたことがあって、それで今は飲まないようにしています。いや、僕は依存症じゃないですけど」
 訊いてもいないのに否定した。
「でも、職場の人と飲みに行くこともありますよね?」
「んー、そりゃまあ立場上、行かなきゃいけないこともありますよね」
「自分だけ飲まないで、楽しいですか?」
 牛本主任は「んー…」と、慎重に言葉を選ぶ素振りを見せながら、
「楽しくないですね。飲んだときの10分の1くらい」
 と思いきり正直な回答をした。植中さんとは真逆の感想だが、僕も主任に賛成だ。なんだか気の毒に思えてきたので、
「それはでも、あくまで自分で節制してるだけですよね。たまには飲んでみんなと楽しんだらどうですか?」
 と、患者の分際で上から目線で励ましてみた。
「でも僕、最近糖尿やっちゃってるんで。やっぱりお酒は控えたほうがいいかと」
 こと身体に関しては、僕のほうがよっぽど健康なようだ。

 午前11時からのビギナーミーティングも、僕は今回が最後だ。今週は10人前後が参加している。そういえば、5ーB病棟だけでもこのひと月でずいぶんと患者が入れ替わった。
 今日もギャンブル依存症の永塚さんら、男性患者3人が退院した。永塚さんは中間施設に戻り、通常1年~1年半にわたる共同生活の1日目からリスタートするという話だ。
 康平くんと立体四目並べに興じていた河原さんも、膵(すい)臓その他あちこちの疾患で先日、内科医療設備の整った中核病院へ転院していった。柏ノ丘へ戻って来るの予定は向こうの検査結果次第だという。
 反対に、新しい患者も増えている。自称、入院回数が20回を越えるという強者もいて、こうなるともう新しいんだか古いんだか分からなくなってくる。

 最後のビギナーミーティングは、沼畑看護師長の『最近の調子、体調について』というお馴染みのテーマと、和代さん提案の『依存症をいつ認識したか』について順番に話を聴いた。
 依存症の認識については先週のSSTでも話に上ったが、もともと自覚があって依存症と認識していた僕のようなケースよりも、例えば「人よりちょっと酒量が多いかも」程度の感覚で晩酌を何年も欠かさず続けていたら、ある日突然ぶっ倒れて運ばれた内科の病院で「依存症の疑いあり」と専門外来へ回されたり、あるいはストレスから過剰飲酒を始めて短期間でやめられなくなり、やっぱりある日突然ぶっ倒れて運ばれて「疑いあり」と回された専門外来で初めてアルコール依存症と診断されるケースのほうが多いようだ。
 この場合、特に年輩の患者はプライドの壁も手伝って「ほかのアル中と一緒にするな」という思いが強く、自分が依存症だと認めたがらない。当然医師や看護師の言うことも聞かないわけで、これまた当然「たちが悪い」ということになる。
 和代さんからは、鬱病と思い診察を受けたがアルコール依存症と告げられ、最初は反発しまくりだったが今は院長はじめここのスタッフに感謝している、だから病院を出たくない、という話を何度も聴いた。正直うっとうしいくらい聴かされたが、それだけ感謝しているということなのだろう。なんにせよ、自分が全幅の信頼を寄せることができる医師や病院に出会えたのはいいことだ。かといって、病院にしか居場所がなくなってしまうと、それはそれで問題だと思うのだが。


 午後6時半、3回目となる「ヒナドリ」の院内AAに参加した。今週も男性ふたりがメッセンジャーとして来ており、勝瀬さん、植中さん、利根川さん、福井さんと、先日から入院した男性ひとりが参加していた。
 この51号室に新しく入った男性こそが、入院20回を誇るという山形さんだ。生え際が後退した坊主頭に無精ヒゲ、パワーストーンのブレスレットをいくつもじゃらじゃらさせた山形さんは、肝機能低下で突き出たお腹と持って生まれたオヤジ体型で、とても42歳とは思えない、いかつい風貌だ。様々な疾患のほか不眠にも悩まされているそうで、眠剤のせいで日中もほとんど呂律が回っておらず、それでいて声がでかい。目も若干座っているが、とても温厚な人ではある。

 遅れて教室に入った僕は、申し訳ないことに居眠りをしてしまった。
 院内のAAに参加を続けて2週間。僕はその内容に、物足りなさを感じ始めているのかもしれない。


※文中における、病院および病院関係者氏名・団体名、地名等については、すべて仮名とさせていただいています。

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【ジャンル】:心と身体 【テーマ】:禁酒
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