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2014-05-21 15:59 | カテゴリ:入院生活

 1日目は午後8時に就寝のベッドに入ったが、病棟内の電気はついたままなので、ずっと『鬼平犯科帳』をベッドで読んでいた。と言っても、これからの不安が常に頭をよぎり、全然集中できなかったのだが。

 そもそも消灯について、スケジュールを知らないまま昨日は寝た。
 午後8時以降、概ね10時くらいの間にみんなわらわらと就寝に向かうようだが、就寝前には基本的に「お休み前のおクスリ」を飲まなければならない。なんせ日中寝てる人はずっと寝てるもんだから、深夜から翌朝6時の起床まで、不眠に悩まされる人が多いということらしい。
 今日の朝、看護師さんに貰った入院のしおりには、
〈21:30~消灯(部屋・廊下)〉
〈22:00~完全消灯(各自のベッドランプもお願いします。TV延長時は、それに合わせて完全消灯します)〉
 とあり、「就寝」とはどこにも書いていない。午後10時になったら直ちに寝ろ、というわけではなく、周囲に迷惑がかからなければ電気の消えたデイルーム(共同リビングのような中心部屋。空席があればここで食事をしてもよい)で雑談していても構わないようだ。デイルームの隅にある喫煙室の利用時間も、午前6時から消灯後の午後11時となっている。
 ちなみに「お休み前のおクスリ」を貰えるのが早くても午後8時以降なのは、午後6時の夕食後に飲む患者それぞれの薬との服用間隔を考えてのことだろう。

 ところで今朝になって看護師さんから貰ったARP(アルコール・リハビリテーション・プログラム)の資料に〈AM7:15 瞑想〉というのがあり、慄然とした。
 いきなりみんなの輪に交じっての瞑想。
「今日一日、何をやるか目標をたてるんです」
 ―― ないです、そんなの。皆さん各々瞑じてください。俺はないです…。
 泣きそうになっている僕を察した看護師さんは、
「デイルームに全員入りきらないっていうのもあるんですが、外の廊下に丸椅子を置いて座ってる人もいますんで、サトウさんは慣れるまでそれでやってみましょう」
 と言っくれた。

 午前7時15分。そわそわ、びくびく「瞑想」――
 信念を持たず、心の安寧とはかけ離れた歪んだ精神しか持たない僕のメイソウは、ただ視線のやり場に困り、早く終われ、でしかない。
 で、そんな瞑想のあとは、患者会の役員が進行してのホームルーム。シャワー室の使い方、冷蔵庫の飲みさしのペットボトルがどうの。患者会の会費の積み立てがいくらになった、云々。
 ―― 興味ない。俺、こんなとこでやってけんのか。不安が増す。早朝から増す。ベッドに籠る。『鬼平』に籠る。


 昼過ぎ、僕と入れ替わりに同室の患者さんが退院準備をしているところに、父と母が着替えや日用品を適当に詰めて持って来てくれ、すぐに帰って行った。タオルやトランクスは洗濯で使い回せそうだが、Tシャツが足りない。その割に靴下だけやたらに多い。
 まあ、おいおい考えよう。そう思っていたら、夕食前に父から携帯に電話が入った。心配でかけてきてるのだろうが、あろうことか泥酔していた。僕が黙ってたら、父のほうから言ってきた。
「俺は飲んでるからな。はっはっは。俺は怒ってるから飲んでんだ」

「怒ってるから」。それだけでもう、不安と緊張、自分が無価値である申し訳なさが噴き上げてきた。―― やっぱり来なきゃよかった。

 今日は僕の担当看護師が決まり、軽く最初の面談を行った。
 3階の大浴場とやらに恐る恐る足を運び、ヒゲを剃って少しさっぱりしてみた。そのあとの、父からの電話だった。

 午後10時半。消灯後の喫煙室でタバコを吸った。

 
※文中における、病院および病院関係者氏名・団体名、地名等については、すべて仮名とさせていただいています。


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【ジャンル】:心と身体 【テーマ】:禁酒
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